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弁理士、1級知的財産管理技能士であるGolferPAが、弁理士試験、知的財産管理技能検定試験の合格を目指す方々にとって有益な情報をご提供します。新司法試験の論文式試験(選択科目:知的財産法)を受験される法科大学院の方々にもお役に立てると思います。また、知財・弁理士の実務関連についても情報展開していきます。更に、ちょっとした書評もお伝えします。
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日本弁理士会関東支部主催研修会「関東における知財戦略」
先日6月18日(金)に、日本弁理士会関東支部主催の研修会「関東における知財戦略」に参加してきました。
関東経済産業局特許室室長・益子氏の話しはあまり大したものではなかったが、内閣官房知的財産戦略本部・本部員の佐藤辰彦弁理士(元日本弁理士会会長)の「世界同時不況後の企業の技術開発の競争モデルと知財」の講義は面白かった。
佐藤先生は、理路整然としていて話し方が非常に上手いですね。

知的財産の産業横断的な強化策として今後設置される可能性のある「中小企業知財支援センター」での「知財カウンセラー」や、大学や研究開発共同体等における「知財プロデューサー」、地方大学等での「広域大学知財カウンセラー」などの設置には、弁理士の今後の活動業務の幅の拡大の可能性という点で興味があります。

また、「世界同時不況後の企業の研究開発の競争モデル」の説明の中で、新たなコンセプトや価値観の創出、「コンセプトドリブン型の研究開発」が必要とされた考えには賛同で、実際上、当社も(メーカーではないのですが)、同様の方向性を今後の研究開発・技術開発上の方針に含めています。

更に、オープンイノベーションの流れの中で、

1. 要素技術の組合せ方法
2. 主導的要素技術の確保
3. 共通基盤技術の確立と標準化、要素技術のインターフェイスの実現

の3点の必要性を謳われている点についても、技術屋&国際標準化屋の私としては共感。

クローズドモデルの知財戦略を基本としつつも、オープン・モデルの知財戦略を臨機応変に組み合わせていく「クローズド・オープン・ハイブリッド・モデル」も今後、その必要性の度合いを増すだろうと私も思います。

最後に、東京大学・小川紘一先生の言葉を引用された以下の「21世紀の知財マネージメント」のコツのような点については今後の業務活動において十分意識していきたい。

1. オープン化、国際標準化、モジュラー化を積極的に活用して自社技術を大量普及(製品のコモディティー化・オープン化による市場拡大)
2. 自社技術と完全互換を条件にライセンス契約(自社技術の稀釈化阻止)
3. 自社技術と相互依存性を強化する領域だけに知財を集中(自社技術の独占)
4. 自社領域以外の技術はオープン化して他社の支配力を弱める(対抗技術の排除)

参考文献として挙げられていたHenry Chrsbrouh氏の「オープンイノベーション」、「オープンビジネスモデル」、佐藤辰彦氏の「発明の保護と市場優位」、小川紘一氏の「事業戦略と国際標準」は読んでみようかなと思います。
 

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お会いできずに残念 
GolferPAさんもいらしてたんですね。私は着席早々にtwitterで来たことをtweetしても、どなたからも返答がなかったので、今回は誰もいないのかな、と思っていたので。

佐藤元会長のお話は、産業構造審議会や知的財産戦略本部の議事録や資料を常時ウォッチングしている私には、残念ながら新鮮味がありませんでした。小川先生や妹尾先生の主張されている理論そのままだなぁ、と。参考文献はお気に召したら読まれるといいと思います(目から鱗が落ちるかも)。ただ、オープンイノベーションの概念を提唱したのはHenry Chesbrogh教授です。肝心なところをミスプリするなよ、とその場で怒鳴りたくなりました。
** 2010/06/21 13:28 | Posted by 不良社員
Re:お会いできずに残念 
>GolferPAさんもいらしてたんですね。私は着席早々にtwitterで来たことをtweetしても、どなたからも返答がなかったので、今回は誰もいないのかな、と思っていたので。

そうでしたか。私のほうもその後も外出が続いたので、PCは持参していませんでした。携帯からアクセスすればよかった。。。
ぎりぎりに到着したので、一番後ろのほうの席にいました。

>佐藤元会長のお話は、産業構造審議会や知的財産戦略本部の議事録や資料を常時ウォッチングしている私には、残念ながら新鮮味がありませんでした。小川先生や妹尾先生の主張されている理論そのままだなぁ、と。参考文献はお気に召したら読まれるといいと思います(目から鱗が落ちるかも)。ただ、オープンイノベーションの概念を提唱したのはHenry Chesbrogh教授です。肝心なところをミスプリするなよ、とその場で怒鳴りたくなりました。

そうでしたか。受け売りですか。
確かに、妹尾先生の本を読んだときに、同様のことが書いてあって、今回の内容も聞いていて、小川&妹尾論だとは感じたのですが。

「目から鱗が落ち」たのはこの4冊の中のどれでしょうか!?
2010/06/21 14:05 | From GolferPA
無題 
私が目から鱗が落ちたと思ったのは、残念ながら佐藤元会長以外の本です(^^;)。妹尾先生も小川先生の研究を「大幅に」引用しているので、既視感ありありではあるんですが。Chesbrough教授の2冊は、多分知財企画周りの仕事をする人にとっては必読本かと。
** 2010/06/22 12:57 | Posted by 不良社員
Re:無題 
ありがとうございます。

元会長は小川先生の代弁だったんですね。噛み砕かれているのかと思っていました。

>私が目から鱗が落ちたと思ったのは、残念ながら佐藤元会長以外の本です(^^;)。妹尾先生も小川先生の研究を「大幅に」引用しているので、既視感ありありではあるんですが。Chesbrough教授の2冊は、多分知財企画周りの仕事をする人にとっては必読本かと。
2010/07/03 04:33 | From GolferPA
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自己紹介:
GolferPAです。
ゴルフ好きが弁理士になりました!
これからも知財のスペシャリストになるべく、勉強続けていきます!
皆さん、よろしくお願いします。

■2008年11月
 弁理士試験合格
■2009年4月
 弁理士登録
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■2005年3月
 電気通信主任技術者
 (第一種伝送交換)
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